トップページ

クリニックご紹介

順番取り予約

院長日記

皮膚病どうする?

皮膚病どうする?

湿疹・皮膚炎・アレルギー

:「アレルギーですね」皮膚科や内科に何か赤いポツポツができたときに受診すると一番よく耳にする言葉ではないかと思います。医療従事者の立場からいえば、「うそ」ではなく、かなり広範囲な病気をまとめて説明する「最も簡単な言葉」なので、この一言を口にしがちです。実際、患者さんの中にも「色々言われてもわからないからアレルギーと言われると何となく納得する」という方もいらっしゃるでしょうが、当院ではよほどの希望がないかぎりそれぞれのアレルギーについて理解してもられるように説明したいと考えています。

1. アトピー

ページ上部へ

:「アトピー」とは、ギリシャ語の「奇妙な」「不思議な」という意味合いの言葉で20世紀の初めにアメリカ人の医師により「アトピー性皮膚炎」として命名されたことを発端にしています。つまり、通常の皮膚炎にしては繰り返し・重症になることが多く、治りにくいというところからアトピーの歴史が始まりました。

 現在は、インターネットの普及も含め情報の入手が容易になったことも手伝って、アトピー性皮膚炎が「乾燥肌とアレルギー」が原因で起きる「遺伝」的要素の強い病気だと言うことを御存知な方が増えてきています。ただ、どういった部分が「遺伝」しているのかは分かっていませんでした。

 しかし2006年になり、アトピー性皮膚炎の1つの特徴である「乾燥肌質=dry skin」をもたらす遺伝子が報告され実際、多くのアトピー性皮膚炎患者さんで確認されています。

 ただ、乾燥肌質だけでは説明できない「湿疹をつくるアレルギーのメカニズム」の遺伝子に関しては未だに解明されてはいません。今後もこの分野での研究が進んでいくことになると思います。

 また、治療に関して言えば、20世紀に各種の議論を巻き起こし、未だに意見の別れる「ステロイド」が大きな基本の柱であることは変りありませんがこれに変わる治療薬の開発が積極的に行われています。その1つとして「ステロイド」同様に様々な物議を醸しだしている「プロトピック」という免疫抑制剤があります。また、ここ数年以内に発売されるであろう「NF-κβデコイ」という遺伝子を用いた治療薬も開発されつつあります。この治療薬も「遺伝子」という未知の物質を用いた治療薬である以上、様々な論議を巻き起こすことになると思われます。しかし、20世紀までの研究に比べ現在はそのスピードも内容も遙かに進歩しており、もっと病気の本質に近づいた治療法が出てくるのではないかと考えています。

:アトピー性皮膚炎は「一定期間」を通じて、繰り返し「特徴的な部位」に生じる「痒み」を伴う皮膚炎のことで、皮膚科医であればその診断に苦慮することはあまりありません。しかし、こと治療の話になると様々なものがあり、民間療法を含めれば数え切れない「アトピーに効く!」ものが存在します。確かに、どんなものでも恐らく100人いれば、1人ぐらいは劇的に良くなる場合が多々あります。ただし、私は医師であり科学者の端くれでもありますからやはり科学的根拠のあるものの中から治療法を提供すべきだと考えています。

 当院では、治療で用いる薬はスタンダードなものだけで、特殊な薬や治療法はありません。ただ、これまでの色々な経験の中で培った「用法」が大切だと考えています。例えば、「この薬を体に1日2回塗ってください」と説明すると、10人が10人異なる使い方をします。人によっては「週に2回痒いところだけに塗る」人もいれば「体中まんべんなく1日に4〜5回塗る」人もいます。わたしは、この「十人十色な薬の使い方」こそが、治療を難しくしていると考えています。一時は発疹の性質について「こうなったらこの薬、そうでなければこの薬など」、かなり細かく説明をしてみた時期もありましたがそれでもうまくいく人行かない人がいます。

 つまるところは、やはり治療の方法は個人個人の性格、生活スタイルに合わせた「オーダーメイド」でなければいけないと言うのが現時点での結論です。塗るのが苦手な患者さんに1日2回薬をつけることが如何に忘れがちで面倒でであるかは容易に想像できます。ですから、そういう人にはスタンダードなものよりも少し強めで短期集中で治さないとうまくいかないですし、逆に必要以上に塗る習慣が身に付いている人には少し弱めの薬を使う必要があります。患者さん個別の指導がうまくいくにはそれなりに回数を重ねる必要があると思いますが、ゆっくりお話をすることで、「オーダーメイド」に近づければと考えています。

2. 蕁麻疹(じんましん)

ページ上部へ

:「じんましん」は虫さされの様な痒みをもった赤い盛り上がったものがあちこちにでき、短時間の間に繰り返す病気で、青魚などを食べて出た記憶をお持ちの方が多いと思います。出ている症状の1つ1つは同じでもその繰り返し方やきっかけは様々で場合によっては別な病気のサインとして出ることもあります。ただ、色々調べても原因がはっきり分かるものはごく僅かで、病院に行ってもなんだか良くわからないままだったというかたも多いのではないでしょうか。

(1)急性じんましん

:じんましんの中で症状が1回もしくは数日で終わるものを急性じんましんといい、多くはアレルゲンやじんましんを起こしやすい物質を含む食品などの摂取で起こります。当院では問診を重視し、疑わしいものがあれば血液検査や皮膚を使ったプリックテストなどを行い、原因を調べるとともに飲み薬を中心とした治療を行います。急性の場合は、じんましんが体の深いところや喉などにもおきて呼吸困難を起こすこともあるので注意が必要です。特殊なケースでは緊急避難用の蘇生薬「エピペン」をお渡しすることもあります。

(2)慢性じんましん

:慢性のじんましんは1ヶ月以上続くじんましんの総称で、「物理的刺激(摩擦・圧迫)」や「温熱・寒冷刺激(温度変化)、「日光刺激」、「コリン性」など、様々な種類があり、タイプにより日常生活上の注意もことなりますし、場合によっては他の病気が隠れていることもありますので問診上、必要と判断すれば各種の血液検査をさせていただくこともあります。治療は避けられる原因に注意するとともに症状を出さないように飲み薬でコントロールし、じんましんを出ない状態に調整していくことを目標にします。

3. かぶれ

ページ上部へ

:「かぶれ=接触(せっしょく)皮膚炎(ひふえん)」は触れたものに対して反応し触れた場所に皮膚炎をつくる病気です。多くの方々は「うるしかぶれ」などの強いアレルギーによるものを想像されると思いますが、カブレにはアレルギーによるものとそうでないものがあります。

(1)「いわゆるカブレ=アレルギー性接触皮膚炎」

:うるしやサクラソウなどの植物や化学物質などのアレルゲンに対して反応することで生じます。当院では問診から疑わしいアレルゲンを選び、可能であれば皮膚を使ったパッチテストや血液検査を行います。症状が強いことが多いので基本的には強めの治療で早く治すことを優先しています。

(2)「まけ=刺激性接触皮膚炎(しげきせいせっしょくひふえん)」

:これは、意外と皆さんが意識されないことが多いのですが、簡単に言えば口の周りに「醤油」がつくとしばらくしてから痒くなりますね。でも醤油アレルギーで醤油を食べられない人はほとんど居ません。つまり、刺激となる物が濃い濃度で長時間ついたになった状態になったり、同じ場所に繰り返しつくことで生じる皮膚炎です。化膿止めとして使う消毒や、絆創膏(ばんそうこう)。意外と多いのが化粧水などの基礎化粧品です。当院では主に塗り薬で治療をすることになりますが、場合によっては普段使用しているものを一定期間中止することで診断の補助にさせていただく場合もあります。

4. 乾癬(かんせん)

ページ上部へ

:乾癬は「丸くて赤い上に厚い角質がごそごそのる」発疹をたくさんつくる病気ですが、ほとんどの日本人が「かんせん=乾癬」という病気の名前を知らないのではないかと思います。実際、この病気は多くても1000人に1人いるかどうかで、他の病気に比べ比較的多いのですが、この病気は人目に付くところにはあまりできないということと、人目にさらされるような所にこの病気の方は行きづらいと言うこともアトピーのようには広く知られない要因ではないかと思います。一見すると「伝染りそう」に見えることもあって、痛い・痒いを遙かに超える精神的苦痛を生じやすい病気といえます。

(1)かんせん=尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

:原因は未だに不明ですが、欧米を中心に研究が進んでおり複数の遺伝子が絡んだ異常によって生じると考えられていますが、現時点では根本的な治療法は解明されていません。当院では、塗り薬を中心に治療を行いますが、必要に応じて飲み薬も使用します。飲み薬としてはビタミンAの誘導体「エトレチナート=チガソン」や免疫抑制剤の「シクロスポリン=ネオラル」・「メトトレキセート=リウマトレックス」などがありますが、いずれも高度の副作用を伴いますので充分な注意が必要です。また、この病気には紫外線による治療が有用ですが、当院では紫外線治療の装置はありませんので、必要に応じ連携病院に紹介させていただいています。

5. 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

ページ上部へ

:手足にたくさんの膿(うみ)をもったポツポツができ、人によっては胸や四肢の関節が痛くなる病気です。最近では「なみ○つ子」さんがTVで紹介されて有名になったこともあって皆さんに良く知れ渡る機会も増えたことと思います。

(1)掌蹠膿疱症

:原因としては金属アレルギーや扁桃腺などへの慢性的な刺激が考えられているが未だに明らかになっていません。当院でも扁桃腺が腫れやすかったり虫歯が放置されている場合は必要に応じて治療をすすめ、金属アレルギーに関してはパッチテストを行っています。また、喫煙に関しては諸説ありますが、皮膚温を低下させ治療を遅らせることが言われていることもあり禁煙をお願いしています。治療に関してはビオチンの内服と塗り薬を基本にしますが、場合によっては漢方薬を使用しています。比較的治療に時間がかかることをご理解いただけるよう説明しております。

6. 円形脱毛症

ページ上部へ

:ひとくちに、円形脱毛症といっても、軽症なものから重症なものまで非常に幅の広い病気です。でも、円形脱毛症はその患者さんの多さに相反し、「病気」としての認識は低いのではないでしょうか? 実際、皮膚科医の中でも円形脱毛症を「病気」として積極的な治療を行う病院は意外に少なかったりします。

 発症メカニズムに関しても、「毛穴の周りで白血球が何らかの炎症反応を起こすことで脱毛が起こる」とされていますが、さらに詳しいメカニズムに関してはいまだ解明されていません。当然、一度で完治をさせるような治療方法はまだありませんが、当院では、順天堂での経験も踏まえ脱毛症患者さんそれぞれに適した形で治療法を提供できればと考えています。

 具体的には、一般的なアレルギー薬の内服や循環改善剤やステロイド剤の塗り薬に始まり、液体窒素を用いた局所療法などの副作用の少ない治療から、ステロイドの局所注射、さらには感作療法(SADBE)など、患者さんに納得いただければもう少し踏み込んだ治療法も行っています。

 重症な場合は治療期間が長期にわたる病気ですから色々な意味での相性が重要な要素になるので、まずはお話を聞かせてもらうところからはじめたいと思います。

もどるすすむ